2013年09月28日

世論がまとまってしまうこと




1ケ月ほどブログから遠ざかった。生活に追われていたこともあるが、その間のオリンピックの招致での安倍総理のブエノスアイリスでの演説、歴訪した国での演説、さらには最近の国連の演説、それに関連したメディアの反応、野党の沈黙などに正直がっかりしたことによる。オリンピックにかこつけて、政治がまるで停止したような、まるで安倍自民党の一極支配のような状況に、げんなりしたからだ。

 オリンピックは確かに経済的には喜ばしいことには違いないだろうし、アベノミクスも実質はどうかわからないが、デフレ下の沈んだ空気を変えつつあることは率直に評価したいと思う。しかしだからといって、野党の存在が見えなくなり、メディアがオリンピックの浮かれ話ばかりして良い状況に今の日本はあるのだろうか。安倍内閣の巧妙なメディア戦略によって、汚染水はコントロールされ、経済は本当に上向いているのだろうか。本当のところはどうなんだという疑問を抱く人はいないのだろうか。

 正直いって、ここ1ケ月間ほど世論がこんなにも与党の思うがままになるのか、驚いてしまった。今新聞でTVでもつい数カ月前の様相とはがらりと変わってしまった感がある。オリンピックを素直に喜び、汚染水は少し置いといて経済は上向きと信じ込むことが、まるでメデイアの使命であるかのような言説にあふれている。もちろん被災地のこと原発のことも取り上げられているが、全体からみると申し訳程度である。

 このような世論の動きは危険な状況とまでは言えないだろうが、これほど日本人が一つにまとまり危険な兆候を回避しようとすることにぼくは危惧を感じる。注意してみると兆候は少しずつ水面下から表出しつつある。つい昨日のことだが、JR西日本の尼崎の福知山脱線事故のトップに対する神戸地裁の無罪判決は、考えようによっては組織全体の問題が問題として表面化しないことに対しての警鐘である。新聞は大きく扱っているが、それに対する反応はあまりにも弱い。日本の社会(会社)の問題提起になる事故でもあるこの件に関して、今のところ世論は沈黙している。JR北海道の問題も根っこは同じはずだが、それを関連づけて論じる識者はいない。

 10月に入ると増税の話題が多分賑やかに論じられるだろうが、安倍内閣の世論対策は様々な施策を用意して既に万全を期している。反面、国会は依然として夏休みの状態らしい。どこまで野党はおめでたいのか。もともと国会など国民はそれほど信頼などしていないだろうが、そうこうしているうちに、ますます安倍内閣の思うつぼにはまってしまうことに不安を感じている。 


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posted by 阿Q at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月12日

社会の危機



 
参議院の各党の公約というかスローガンを見ると、全部の党のスローガンを合わせても日本の未来は見えてこない。例えば最近の子供の自殺、高齢者や家族同士の殺人、あるいは警察、公務員、会社員などの組織員の事件などがニュースを賑せているし目立っているが、これらのニュースは日本の社会の危機を示している。どれほど統計的な裏付けがあるかはわからないが、量的な問題ではなく社会の根幹に関わる問題で目立った事件が多いということは、日本の社会が劇的に変わろうとしていることを象徴しているのではないかということは言える。

 これらの事件は社会の動きの結果だが、各政党のスローガンを見る限り、これらの事件に関連するものはほとんどない。もちろん直接的な言及を指摘しているわけではない。これらの結果=危機を社会が、政党がどれだけ意識しているか、何が日本の危機なのかに対する各政党の感度の問題である。つまり日本の政治の危機に対する感度の問題といって良いだろう。

 子どもの自殺の問題は、いじめの問題である。いじめはここ数年何かと話題になっているが、法=いじめ対策法が出来たがそれ以外の進展は全くない。法律がどれほど効果的かはもちろん立法者もわかっているだろうが、法律を作る以外に対策がないということが問題である。教育全般も含めていじめは社会全般の問題である。教育関係者だけに任せて済ます問題ではない。社会がどれほど教育に関われるか(関わるべきだと僕は思うが)、教育関係者だけではどうしようもない、ということはこれまでのいじめの問題を見てきた社会の反省だったはずだが、真剣な議論が社会全体で深まったという話は聞かない。

 高齢者や家族の問題も同様である。これは少子化の問題が大きいということは理解されていると思うが、新たな人間が「現れ」ないということは社会の存在が危機に瀕していることに他ならない。単なる高齢者に対する分配だけの問題ではなく、高齢者を支える子どもが少ないということである。そこには家族の問題もあるし、何より社会が存続する根幹が崩れているということである。それを官僚だけに任せることは出来ない相談である。心配なのは、そのような議論が社会全体に大きなうねりとなって現れてこないことである。どこかお役所任せというか、大学などの有識者にしてもお役者の審議会などで、取り込まれてしまっていることである。これもいわゆる「政治」の官僚化である。

 公務員あるいは会社などの組織に属している人の犯罪もまた目立っていることは、これらの組織が社会との接点が薄れていることに他ならない。お金にまつわる犯罪が多いのは昔から同じだが、お金だけでは説明がつかない、例えば「のぞき」の問題などが目立っていることはそれを証明している。昔であれば、個人の倫理の問題で処理したのだろうが警察官などの不祥事が多発するのを見る限り、社会全体の危機がこれらの組織に表れていると見た方が良いだろう。

選挙などの「政治」も大切だが、社会の危機に対してわれわれはどのように声をあげたらよいのだろうか。

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posted by 阿Q at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月26日

お金の話ー「夢より深い覚醒へ」


 

 「お金お金お金お金」「どうしていまの世の中、こうお金の話ばっかりになってしまったんだろうか」

 これは天野祐吉の言葉(『CM天気図』朝日6月26日)だが、最近とみにこの傾向が強まっていることをぼくも感じている。この日本では、大金持ちは大金持ちで貧乏人は貧乏人でそれぞれ同じようにお金の話題しかないように見える。そのリーダー役(フォロワーかもしれないが)は恐らく政治家だろう。建前ではお金のようなはしたない話はしていないが、その口吻の裏にはどうもお金しかないことがすぐ見透かされている。

 少し面白いと思ったのは、2020年のオリンピックの招致レースで、東京が招致理由の真っ先にあげているのがその財政状態である。猪瀬東京都知事はその招致プレゼンテーションで「東京はオリンピックの費用はすでに銀行に預金している」と胸をはっていたが、それを聞いて恥ずかしくなった。コンセプトはお金というわけである。オリンピック開催で財政が重要な要素であることは間違いないが、それを招致の第一の理由とするのはどうなんだろう、と思う。財政が招致の理由になることとオリンピックによって景気を浮揚させようとすることはメダルの裏表だが、いかにも露骨な、もっと儲けようとする日本株式会社の発想だなと思う。

 最近では株、円の上下、会社の今期の売り上げ、損益、生活保護費、年金等々、さらにはアンケート調査などをみると関心が景気浮揚が圧倒的など、毎日の新聞を見るとほとんどお金の話である。これだけお金の話が毎日の話題になるのは珍しいのではないか。昔からもちろんお金の話は多かったと思うが、これほど多くの国民の話題になることはなかったように思う。

 よく考えると、その背景には日本の国としての借金にあるのではないかと思う。1000兆円もの借金、これがどれほどのものなのかは想像することが困難な金額である。個人としてどのようにしたらよいのかわからない、従って考えたくはないのだが、何とはなく将来の生活に影響するだろうなということはわかる。これが恐らく日本の今のお金の話題に関連しているのではないか。どうせ個人には関係がないと思っていても、どこか気になる、それが無意識に沈殿していてお金の話題になるのだろう。

 「アベノミクス」は、この重苦しい空気を少し解消はしてくれたのは確かである。安倍首相は意図的に1000兆円の借金の話はしていないが、国民は「アベノミクス」によってこの膨大な借金を減らしてくれるのではないかと期待している。「アベノミクス」がどこか奇跡や魔術的なものに見えるのは、国民の無意識的なプレッシャーを取り除いてくれるという強い期待があるからではないか。そうでなくては、金融緩和だけで成長できるという、どうみてもギャンブルに近い政策に熱狂するはずはない。

 「夢よりも深い覚醒へ」は大澤真幸の著書(「夢より深い覚醒へ−3.11以後の哲学」岩波新書)のタイトルだが、アベノミクスはどこか夢のようにも見える。20年来のデフレから脱却するという強い期待が、夢に賭けるという心性を齎すのは仕方のないことだが、そろそろ夢をみることだけではなくて「深い覚醒」に向かう時ではないかと思う。 


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posted by 阿Q at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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