2012年11月20日

思想の劣化・・・成長を疑う




 内田樹がそのブログ「内田樹の研究室」で政治の劣化を皮肉っている。

 できたばかりの石原慎太郎の太陽の党が解党して、橋下徹の日本維新の会と合流。太陽の党との合流話を一夜で反古にされた河村たかしの減税日本は「減税の看板をはずしたら仲間にいれてやる」と恫喝されて落ち込んでいる。渡辺喜美のみんなの党は維新への離党者が続出しているが生き延びるために維新との選挙協力の方向を探っている。(幼児化する政治とフェアプレイ精神

 内田は主に第3極といわれている政治勢力に対して嘆いているのだが、政治というより政治家の資質に問題があると批判している。河村たかしの減税日本の件は全くの同感である。河村に対する「いじめ」もまるで中学生の「いじめ」に似ているが、いじめられている河村もこれが国民(河村は名古屋の市長だが)を代表する政治家なのか、もっと毅然としてふるまえないのか、振られた恋人に未練たらしく愚痴を言っており、笑うに笑えない喜劇というか悲劇を演じている。これだけ見ても、内田ならずとも政治の劣化、いや政治の笑劇をあぜんとするのである。それが今回の選挙である。

 もっとも、この政治の劣化(政治家の劣化)は第3極だけではもちろんない。与党である今の民主党は散々いわれているように理念もなければ、実行力もない。ウェーバー的にいえば「心情倫理」も「責任倫理」もなく、ある時はポピュリズム、具合が悪くなると官僚の言いなりに転向してきた政党である。典型はあの「仕訳け」であり、「沖縄問題」であり、「原発推進」であり、最後は代表が国会でおお見えを切って解散してしまった。

 政治の問題点が今すべて露わになってきた。高度成長、あるいはまがりなりにも経済が成長している時は、あまり問題が表面化しなかったが、ここにきて、あるいは3.11が起きて日本の統治機構が極めて危ういものだと人々が感じ取って以降、日本の政治のダッチロールが続いてきた。

 なぜこれほどまで政治(政治家)の劣化が進んだろうか、と問わずにはいられない。政治の劣化はすなわち、日本という国の劣化を意味するからである。内田は政治家の資質が劣化したから政治も劣化したというように分析しているが、ぼく自身はわれわれ国民の思想の力が劣化したからだと思っている。

 思想の劣化・・・というと何か大袈裟なように聞こえるかも知れないが、ここでいう思想とは、日本は経済が成長し続けるべきなのか、あるいは経済は成長しないが成熟した社会を目指すべきなのか、ということである。世界と通底した問題であり、日本だけの問題ではない。ただ日本の置かれた位置、歴史を考えた場合、単に日本が生き残るかどうかの問題ではないと思う。成長しないとなると、すぐ生き残ることが出来ないという問題に直結するから思考停止になる。成長しなくとも生き残る道はあるというのがぼくの直感であり、それが優れて思想の問題であるということである。

 今の政治の問題は、大方の世界も同じだが、成長から自由ではない。すべて成長が前提となっている。しかしながら、過去の歴史を眺めてみた場合、成長だけが歴史を形成したわけではない。興隆を極めた古代ギリシアの都市国家が高度成長の結果という話は聞かない。近代の興隆は、資本主義という特殊な制度(?)と共に伸長したからに過ぎないのであって、その資本主義自体が行き詰っているから、近代も行き詰っているように見えるのではないか。そして日本がそのトップランナーになってしまったから、鋭く問題が抉りだされていりのではないかと考える。

 ここまで書くと、あまりに大きな問題なのでそれ以上はほとんど妄想のようにも聞こえるかも知れないが、要は政治は長期的な視野を獲得してはいないという問題意識である。成長という、日本では戦後十数年の事象に捉われており、それが政治の分野でのさまざまな混乱を招いているのではないかと考えている。世界は恐らく成長を含めてカッコ付きの近代のトップランナーである日本をじっと見つめている。成長という幻想を捨て去ること、成長という幻想から自由になること、そういう思想を政治は獲得する必要がある。少なくとも、問題意識として成長を疑うことから政治が始まるべきではないかと思う。

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posted by 阿Q at 20:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その他維持隠れが赤髪の老人の横に戦争日レグルスに隠蔽することができる、 "酔った老人は、"戦争日後シャンカンカンとレグルス上官が強いのと同じレベルです。静か [url=http://www.bag-winds.com/]ferragamo がま口[/url] <a href="http://www.bag-winds.com/" title="ferragamo がま口">ferragamo がま口</a>
Posted by ferragamo がま口 at 2013年08月08日 01:16
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