2010年05月02日

開かれたジョブへ 新しい労働社会・・・雇用システムの再構築へを読む(3)

 雇用契約の主流がジョブ型ではなくメンバーシップ型であり、それが日本の労働社会を息苦しくしていることは確かである。そのことを感じるのが転職の際であろう。

 今でこそ転職は比較的増えてきたが、高度経済成長が続いた頃は、会社を辞めるというのは、江戸の時代であれば脱藩者扱いであり、もっと言えば裏切り者に近い扱いをされたようである。事実当時転職する人は中小企業も含めてほとんどいなかったという記憶がある。それほど転職することは大変だったのである。(今でも決して楽ではないと思うが)

 職務で評価されるということは、極端にいえば職務以外の要素、その人の人格や考え方ではフリーということであり、人間としての自由さがある。転職は職務以外の不自由さを強いられるので、大変なのである。

 つまり、職務ではなくメンバーとしての資質が問われているわけだから、そのメンバーに合わせることが出来るかどうかが問題になる。そのメンバーには独自の歴史があり、歴史にそった風土がありそれを理解する必要があるわけである。それよりもまずその会社に人格を含めてまるごと適合しなくてはならない。職務だけで自由に動けない場合の転職が難しいというのは、そういうことなのである。

 このメンバーシップ型の雇用システムも、高度成長経て21世紀に入ると揺らいできた。その表れが、非正規労働者の問題、ワーキングプアの問題などに繋がっていると考えて良いだろう。この本では、このメンバーシップ型の雇用システムとさまざまに噴出してきた問題をストレートに結び付けてはいないが、問題として提起したという意味で大きな意義があると思う。

 次回は、この本で提起されながら必ずしも大きく展開していない職務(ジョブディスプリン)について考えてみたいと思う。

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posted by 阿Q at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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