2014年09月30日

世界の緊張、日本の能天気




最近いつも思うことだが、世界の緊張に比べて日本の弛緩といってもいいほどの能天気な空気に驚く。まあぼくの良く見るTVだけの世界かも知れないが、スコットランドの分離独立運動も香港の民主化デモも、TVにかかるとまるで街頭のイベントの一つになってしまう。中東の戦乱でさえ、TVゲームのようになっているのだ。

 世界は確実に緊張状態にある。スコットランドの分離独立は、恐らく沖縄の日本からの独立といったイマジネーションを掻き立てずにはいられないだろうし、香港の民主化デモは、台湾の立法院占拠とともに、日本の民主主義に対してあらためて覚醒させるような迫力をもっている。さらに中東の「イスラム国」は、シリア、イラクにまたがるまるでインターネットのような、拠点を持たない領土、ゲリラ戦のような戦い方、巧妙な広報宣伝など、今までにない戦争の、したがって言いようのない恐怖を世界に与えている。

 日本の能天気な空気は第一次世界大戦前にもあったらしいが、恐らく日本では経済しか興味がないせいかも知れない。景気がよければすべて良しといった性向はどうやら昔からあるようだが、果たしてそれで済むかというのがぼくの感覚だが、その景気でさえ本当に政府や日銀のように楽観的にみられるのだろうか。

 安倍首相は世界中を駆け巡って、日本がアベノミクスによって景気がよくなりつつあることを宣伝しているが、まったく笑ってしまうしかない。貧困率が先進国最高であり、あれほど教育に力を入れているという安倍内閣だが、その国の教育費支出はこれまた先進国で最低に近いという。失業率は下がっているというが、多くは非正規労働者が増えているだけではないのか。どこに景気が良くなっているという兆候があるのか、少なくともぼくにはわからない。

 どうもマスコミを筆頭にして、いやなことは見ないという空気があるのだろうか。良い面だけを見たいというのは、個人的な面では生き方としては認めることはできるのだが、こと国に関して云うと違うのではないか。楽観論は日本という国の歩みを間違った方向に導く。第二次大戦の日米戦争はその典型だが、なぜあのような無謀な戦争に突っ込んでいったのか、その反省が、特に今のマスコミにあるのか。景気一つとっても、政府に対して根本的な疑問を呈しているマスコミは少ない。そうでなければ、多くのひとがこれほど日本という国に対して楽観的になってことが信じられない。統計がないのではない。見ようとしていないのだ。

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posted by 阿Q at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月19日

スコットランド独立の敗退




スコットランドの独立運動は、統一派の必至のキャンペーンの成果のせいか当面見送られたようだ。期待値も含めてもう少し僅差になるかと思われたが、意外な大差に終わった。ただ45:55という結果(最終ではないが)を大差とみるか僅差とみるかは見方に依る。今年の始めには3割しかなかった独立の動きが4割以上という結果はかなり独立派が伸長したとみるべきであろう。

 フランスのオランド大統領は、「分離運動は、(欧州統合という)欧州の目標を失わせる」(毎日19日夕刊)というコメントを見て、このような見方もあるのかなという感想を持った。確かにEU側から見ると、それぞれの地域の混乱は歓迎すべからざる動きとみるのは当然であろう。ただ同じオランド大統領が「国家の統一からの解放は可能だ。だが、私たちは解体するために欧州を建設してきたわけではない。」(同)といっているのは、欧州統合という本来の理念からややズレた見方ではないのか。国民国家からの解放が欧州統合という理念を引き寄せたのではないのか。国民国家の問題を解決するために欧州統合がなされたわけだが、オランド大統領のこの発言は原因と結果を取り違えて、EUを一つの上位の、中央集権的な国家とみているように思える。そこに今のEUの問題の核心があるのではないかと思える。

 今後このスコットランドの独立の動きは、イングランドがどのようにスコットランドを扱うかいう時間的な経緯とともに、スペインの「カタルーニァ自治州」、イタリアの「北部同盟」、そして中国の新疆ウィグル族などの分離独立問題などに影響を与えずにはいられないだろう。そしてそれらは、グローバルな動きとしての新自由主義やあらたな帝国主義の問題を提起することになるだろう、と思う。


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posted by 阿Q at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月18日

スコットランドの反乱




 スコットランドの独立の動きは、世界の歴史が再び動き出す気配を感じさせる。現時点ではどちらになるのかは見えないが、相当に重い出来事である。ただ報道などを見ると、どちらに転んでもこのような国民国家の分裂=独立といった重い動きにも関わらず、われわれ日本人にはピンとこないようで、TVなどではまるで相撲部屋の独立のような興味本位の扱いである。歴史上血の出なかった独立はあり得ないといった言葉があるように、国内が分裂するということはただ事ではない。

 報道によれば、スコットランドとイングランドの目指す社会にたいする政治の考えの違いが今回の独立騒動の理由らしい。スコットランドは福祉社会を志向する社会民主主義であり、対してイングランドは競争原理に立脚する新自由主義の社会を目指していることが、スコットランド住民の独立志向を支えているとのことである。恐らくイングランドのキャメロン首相も、思想信条の違い(それに関する現実的な政策の基盤が背景にある。)がこれほどの騒動に発展するとは思っていなかっただろう、そういう意味では「キャメロン政権の誤算」(毎日新聞)という報道は頷けるし、われわれ自身も「誤算」であったことを認めるしかない。

 世界はイングランドだけではなく新自由主義が席巻している。失業率だけをとってみても、特にヨーロッパの若者の失業率はドイツを除いて高いことが象徴しているように、新自由主義の核心である格差問題は深刻である。日本は一見失業率は低く問題が少ないように世界から見られているが、非正規雇用が4割に達する勢いである。非正規雇用が高い失業律を隠ぺいしているわけで、新自由主義という政策によって格差が広がっていることは間違いない。

 スコットランドの独立志向がすべて新自由主義に対する嫌悪からきているわけではないだろうが、思想信条の違いが国の独立にまで発展する大きな政治課題になるという動きは、最近の新しい動きである。このスコットランドの動向は、それがどのような結果に終わろうと、スペインの「カタルーニァ自治州」、イタリアの「北部同盟」などの独立に影響を与えずにはいられないだろう。ウクライナ東部、クリミヤ半島など、スコットランドとは別の動きではあるが、世界の地殻変動の一環には違いない。

 ベルリンの壁崩壊以来、世界の「秩序」は紆余曲折の末さまざまな動きを見せているが、今回のスコットランドの独立の動きはその一環としてみることが出来るだろう。

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posted by 阿Q at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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